「無人島でも同じこと言えんの?」

ネットで使われるネタ(または思考実験)として「サバンナでも同じこと言えんの?」というのがある(詳しくは「お前それサバンナでも同じ事言えんの? - ニコニコ大百科」

最近気づいたが、社会的な認知について考える際も似たような思考実験が使えて、「無人島でも同じこと言えんの?」というのがある程度、使える。

男の子なら、ロビンソン・クルーソーのような生活に一回は憧れたことがあると思うが、まさにそのような状況でも、やはり今と同じようなことを思うか、という問いかけである。「終身刑で独房に入ってても同じこと言えんの?」でもいいかもしれない。

そして社会的なことについて考える際にはもう一つ「満員電車の中でも同じこと言えんの?」という問いもけっこう使える。人口密度的に無人島と対極にあるシチュエーションだが、周りの人間が全員、つながりのない他人、という奇妙(だがある程度 身近な)状況だから。

こうした文脈の置換を行うと、けっこう色々なものが意味や価値を変える。そうしたものは社会的な要素の影響を受けているとある程度予想することができる。

これは何か?
これは単に、ある種の極限実験である。科学で言えば、物理学者が色々な物質に対して、とりあえず冷やしてみたり、熱してみたり、真空環境に置いてみたりする。そういう作業と同じである。何が起きるかは分らないが、超伝導超流動のような現象はこうした過程で見つかった。こうした極限環境(を想定した思考実験)は、日常的な環境下で使えるモデル(物理用語で言えば常温常圧で有効なモデル)も、ある種の近似モデルでしかないことを、時に教えてくれる。そうした場合には、より繊細な内部モデルの発見に私たちを導いてくれる。

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