Amazonで大人買い


最近、Amazonで生物・化学・医学系の本を大人買いしている。
基本的にほとんど勉強していなかった化学、
まずはこの化学に入門する。

入門系の本を色々買って読んでみたところ、平山令明さんという人の本が分かりやすい。
この方はX線結晶解析を用いてタンパク質の立体構造を解析するのを専門とする薬学者らしい。
この人のブルーバックス本はすべて買ったが(大人買い)、そのうち特に面白かったものを紹介します。


化学反応を熱力学から予測する。化学熱力学

まずは化学熱力学の本。
化学反応を理解する上で(ある反応が自発的に起こるかどうかを理解する上で)大事なのが
ギブスの自由エネルギー ΔG だ、という点についての解説本。
ひたすらその点のみについて、実例を豊富に出しながら解説している。数時間ほどでよめるが内容が濃く役立つ。

熱力学で理解する化学反応のしくみ―変化に潜む根本原理を知ろう (ブルーバックス)

熱力学で理解する化学反応のしくみ―変化に潜む根本原理を知ろう (ブルーバックス)


波動関数が命。量子化学

電子の波動関数で化学反応が理解できる、ということを簡潔に書いた本。
今の時代は、原子数の小さい分子なら、数秒から数分で、系の波動関数の解を簡単に計算できるとのこと。
しかも吸光スペクトルや、誘電率といった量まで、分子の構造(原子の空間座標)だけから
簡単に(しかしもちろん近似的に)計算できる時代になっているようだ。
原子の座標データはネットに、たとえばタンパク質であればPDBというサイトに、落ちている。
ほかの分子についてはわからないが、恐らくネットのどこかにあるはずだ。
で、こうした解析をなんとフリーウェアでも行えるようだ。
いやはやすごい。ちょっとSF的ですらある。

水素原子のシュレディンガー方程式の解放が難しかったことしか記憶に残ってない僕には、
ここらへんの進歩はかなり驚きだった。今の計算化学は相当進んでいる。

実践量子化学入門―分子軌道法で化学反応が見える CD-ROM付 (ブルーバックス)

実践量子化学入門―分子軌道法で化学反応が見える CD-ROM付 (ブルーバックス)


形と形でガッチンコ。薬学。

現代的な薬学の超入門書。酵素の活性部位に薬の分子がくっつく、という話が立体画像入りでわかりやすく説明されている。分子設計の観点から見た薬剤について、丁寧な説明が読める。分子やタンパク質の構造がここまではっきり3Dで見えると、化学はなんかとても分かりやすいものと思えてくる。