疑似科学を自然化する、そして自然科学を自然化する

「自然現象としての宗教」(Religion as Natural Phenomenon)というテーマでデネットが本を書いているが(まだ読んでない)、疑似科学に関しても長い目で見たらそういうスタンスを取っていくべきだと思う。
つまり疑似科学というのは、ホモ・サピエンスという生物の脳の集団で起こる、複雑な創発現象のひとつであり、地震の発生や気候の変動などと同様の自然現象として、自然科学の立場から理解、説明、コントロールされていくべき対象である、と。

で、こうしたアプローチが最終的に本当に面白くなってくるのは、もう少し先の所、つまりこういった自然主義的なアプローチが科学それ自体に向けられ始めたときだと思う。つまり

「自然現象としての自然科学」(Natural Science as Natural Phenomenon)が始まったときだ。

この観点から言うならば、自然科学というのは、ホモ・サピエンスという生物の脳の集団で起こる、複雑な創発現象のひとつであり、地震の発生や気候の変動などと同様の自然現象として、自然科学の立場から理解、説明、コントロールされていくべき対象である、となる。

こうした思考は当然、円環的・ウロボロス的、自己言及・ゲーデル的となる。だからそこからは恐らく「空である」と形容すべきような何がしかの新しい思考形態がハッキリとした形で現われてくるのではないかと思う。

文献

Breaking the Spell: Religion as a Natural Phenomenon

Breaking the Spell: Religion as a Natural Phenomenon