チューリングよりもう少し現実的に、ISBNテスト


チューリングは知性の条件、人工知能の条件として、チューリングテストというのを提唱した。これは要は人間とプログラムがチャットをして、機械だとバレなければ合格(まんまと人間だと思わせられれば合格)というテストだ。

さて、これは基本的に人間による知性というもの定義だ。
僕はこれを人間の機能拡張、ポストヒューマンの方向に広げて、次のようなテストを考えた。つまり攻殻機動隊のような、脳を工学的に拡張する未来と、私たちが生きる今現在との、境界を定めるテストである
名前はISBNテスト。テストの合格基準は次のとおり。

ISBNとページ数を指定すると、そのページの冒頭をすぐ読み始められる。

ISBNとは、本を指定する番号のこと。たとえば<2007年にPHP研究所から出た新装版「坊ちゃん」>は、4569693695という番号を持つ。これがISBNである。で、ちなみにこの本の120ページ目は、「是じゃ聞いたって仕方ないから、」という文で始まる(Google Books より)。


で、実際のテストの風景は以下のようになるだろう。

左が試験官。右が被験者。被験者の頭にはチップが埋め込まれている。このISBNテストの目的はこのチップのインターフェース・デバイスとしての有効性を計ることである。試験管はISBN番号とページ数を、色々な本、色々なページについて何度も何度も問う。そしてもしこれらの問いに対し、被験者がすべて滞りなくサクサク答えられたなら、そのときみごと合格である。要は被験者が 「歩くGoogle Books」となれているかどうか、それをテストするのである。

もしこのISBNテストに誰かを合格させることができたなら、そのときが新しいひとつの未来の幕開けとなる。