とある疑似科学を倒す方法2 「おまえの脳を見せてみろ」

疑似科学も含め、実はあらゆるタイプの「変な」思考を完膚なきまでに倒せる(だろう*1)方法がある。



それは論法や証拠、議論の方法云々といったものではなく、


技術的な未来の話だけれども、ある程度の未来において常に使えることになる(だろうと思われる)こういう応答である*2



「いいたいことは分かりました。とりえあえず、あなたの脳を見せてください」



もし何らかの願望思考や自己欺瞞、また決定的な知識の欠落などが内的に存在するなら、


それに対応したそれなりの神経表象を脳内で見つけることができるだろう。


つまり、なぜ、ある人物が(例えばこの私が)、ある種の主張(たとえばこんな下らない話)をしているのか


その事は、その誰か(つまり私)から説明を期待する必要はなく、


その人の脳(私の脳)をリバース・エンジニアリングして、コンピューター上でシミュレーションしてみればよい。


そうすれば、なぜその人の口(私の口)から、そうした言語列が発せられるのか、そのことが細部にわたるまで理解可能となるだろう。


ここではどんな言い訳も取り繕いもできない。


もし滑稽な主張がまっとうな思考過程から出てきていることが確認できれば、こうした技術的方法は人々に強い説得力を示す、新しい有効なツールとなるだろう。


逆に自己欺瞞や嘘は、その連結された背景まで含めて、本人も明示的に理解してない部分まで把握できてしまうことになるだろう。


ここで人は一番見たくないものを見る。


自己である。





ひゃ〜怖いわ〜(T_T)



似たような話「体重計に乗ってみろ」

A「わわわたし、そんなに太ってないから!そ、そもそも、そんなに食べてないし」
B「いいたいことは分かりました。とりえあえず、体重計にのってください」


A「ご、ごめん、実は昨日、食後にちょっとケーキを食、食べた。ででで、でも一口サイズだから。」
B「いいたいことはよく分かりました。とりえあえず、体重計にのってください」


A「いやいや、結構運動もしてるよ。まあウォーキングっていうかね、近所のコンビニまで、歩いて行くみたいななな。だ、だ、だ、だから、ぜんぜん大丈夫だよ!」
B「いいたいことはよーく分かりました。では、体重計にのってください」



ひゃ〜怖いわ〜(T_T)

これはメガンテである

他者の思考について理解すること、それは他者を理解しそして破壊することである。しかし同時に、それは己の思考を暴き、そして破壊することでもある。疑似科学を本気で叩くとき、その刃は己にそのまま振りかかる。他者だけを切れる刃などというものはない。どんな刃も、それが鋭利であればあるほど、その切っ先はそのまま己に向けて振り向けられる。真の攻撃とは常にメガンテである。

*1:この方法は合理的であること、整合的であること、知に対する規範を守ろうとすること、などを徹底して拒否する人にはたぶん通じない。それでも、そうした場合においても、本人以外の周囲の人にとっては、その人が思考がどのように、またどういう意味において、ケッタイなものであるか、そうしたことについては細部まで確認できるはずである

*2:この方法は現時点でも、即効性という点では弱いけれども、使えないわけではない。「あなたの主張はたいへん面白いものです。しかし私のような愚人にはその内容が高尚すぎて理解できません。そこで人類の未来のために、ぜひあなたの思考を保存・共有していただけないでしょうか。つまり、死後あなたの脳を解剖させてください。そうすれば、それをデータとして保存し、後世のリバースエンジニアリングに託します」と。